Ep23-19

俺はたまにここに居る感覚すら

危うくなる。

それでも俺の存在は確かだし、

物理的な支障は多くはない。

だけど俺はいまPCX125で首都高の料金所にいる。

通過なのか引き返すのかはまだ分からないけど

とにかく先導が必要なようだ。

高速は125ccを超える排気量でなければ通行できない。

閉鎖レーンをひとりで分捕ってもう15分になる。

単純だよ。

前のPCX150に釣られたんだ。

何キロも穏やかにバトルしていたから

直進方向に陸橋と思っていたら迂闊だった。

仕事で足立陸自からの帰り。

反省はしてるけど

この経験に悪い気はしない。

サイバーパンクかもね。

これで目の前の神々しく光るこの道をぶち抜けば

そう言うことになる。

だけど別にそう言うタイプではない。

Ghost trip

足立陸自で書きはじめたこの記録の題名は

意図せず相応しいものになってしまった。

つくづくここからの風景は不思議だ。

自由なはずなのにアクセルを開けられない。

身体が動かないんだ。

目の前の景色は空以外に人間が作り出したものしか無い。

俺もその恩恵を受けて育ってきた。

しかしビルに人格もなく

コミュニケーションすら存在しない。

生きた山とは全く別の細胞で出来ているんだ。

その物理量とは裏腹に

その存在の空虚さとは如何に。

人類の共通の夢のように振る舞う発展を帯びた箱の重なり。

仕事終わって続きを記録。

飽きねえな。

30分以上経って

やっと緊急車両が来てくれたのは

クラウン/アスリート。

高級車の覆面パトカー。

警察官も俺の事情をすんなり理解してくれて

厳重注意で済ませてくれた。

サイレンを鳴らして先導開始。

80キロの徐行で駆け抜ける首都高。

情報が流れる川の様な

スピリチュアルな場所だった。

セーフティーカーが抜けて

イエローフラッグ解除。

合法でレース再開。

今も耳に流れる電流に音楽を聴かされている。

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